就職する際に健康診断を受けるように言われることがあります。この健康診断は受ける必要があるでしょうか。
今回は、「雇入時の健康診断」について調べてみました。
それでは行ってみよう!
雇入時の健康診断とは
労働安全衛生法では、事業主は、労働者に所定の健康診断を受けさせる義務を負っています。
また、労働者は、健康診断を受ける義務があります。
労働安全衛生法に基づく「健康診断」の中に、雇入時に行う健康診断として、「雇入時の健康診断」があります。
対象者は、「常時使用する労働者」とされており、期間の定めのない者や1年以上使用を予定(継続)している、週の労働時間が正社員の4分の3以上の者とされています。
受診時期は、「雇入の際」とされており、雇入前にあらかじめか、雇入直後に受診させていることが多いと思います。
また、雇入前3か月以内に健康診断を受診した者を雇い入れる場合で、後述の検査項目がすべて実施されている健康診断の結果を提出した場合は、「雇入時の健康診断」を省略できます。
法律で決まっているのね!
労働者の健康を守ることも経営者の大切な役目ということだ。労働安全衛生法では、労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的として制定されているよ。
雇入時の健康診断の検査項目
検査項目は、以下になります。通常、半日程度で検査終了です。
・既往歴及び業務歴の調査 ・自覚症状及び他覚症状の有無の検査 ・身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査 ・胸部エックス線検査 ・血圧の測定 ・貧血検査(血色素量及び赤血球数) ・肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP) ・血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド) ・血糖検査 ・尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査) ・心電図検査
雇入後、年1回定期に受けることとなる「定期健康診断(規則第44条)」には、医師が必要でないと認める場合は、省略ができる規定がありますが、「雇入時の健康診断(規則第43条)」には、ありません。
雇入時の健康診断の費用は、1万円前後が多いようです。
受診後の対応について
健康診断の結果は、会社または個人へ通知されます。個人へ通知があった場合は、会社へ結果を提出しましょう。また、事業主は、結果を労働者へ通知する義務があります。(法第66条の6)
このほか、事業主は、結果に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない(法66条の4)など、必要な対応を取らなければなりません。
健康診断の受診にかかる費用は、事業主か労働者のどちらが負担するの?
どちらが負担するかは決まっていないよ。事業主の義務として法定されていることから、一般的に事業主側が負担しているケースが多いようだ。
労働者の健康維持のために、労働安全衛生法に基づいた必要な健康診断を実施することが大切です。
従業員は、大切な経営資源の一つ。
人間ドックの検査費用の負担など福利厚生としている企業もある。
従業員の健康を守ることは、会社を守ることにつながる大切なことだ。
コメント