2022年度予算案が決定され、雇用保険料の値上げが報道されました。
雇用保険料が、どうやって決まっているのか、調べてみました。
それでは行ってみよう!
雇用保険料は労働者と事業主で負担する
雇用保険料は、労働者負担部分と事業主負担部分に分かれています。
失業等給付に係る保険料部分は、労使で折半されていますが、二事業に係る保険料は、使用者負担となっています。
二事業とは、「雇用安定事業」と「能力開発事業」のことで、各種助成金の財源や職業訓練等に使われています。
近年、失業率の低下から、雇用保険料率は低くなってきていましたが、新型コロナウイルス対策により雇用調整助成金の支出が増えたことから、雇用保険料率が改訂されるようです。平たくいうと、保険料が高くなり、家計の負担が増えます。(事業主は、事業主の負担も増えます。)
保険料計算の例
例えば、月給30万円の場合は、以下のとおりとなります。(令和3年度)
30万円×0.6%=1,800円(労働者負担分)
30万円×0.3%=900円(事業主負担分)
保険料は賃金から控除される
事業主は、被保険者(労働者)に賃金を支払う都度、その賃金から被保険者(労働者)負担額を控除することができるとされています。労働保険料(雇用保険料)の控除は、口頭による通知のみで行うことができず、必ず労働保険料控除に関する計算書(給与支払明細書)を作成し、労働者に知らせる必要があります。
つまり、給与支払明細書を見れば、自身が雇用保険の被保険者かどうか(入っているかどうか)判断することが可能です。
賃金を支払いの都度、控除する必要がありますので、例えば、2ヶ月分をまとめて控除することはできません。
保険料の算定基礎となる賃金とは?
「賃金」とは、「賃金、給与、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの」とされています。
通常、給与明細書に書かれているほとんどすべてのものと考えて差し支えないかなと思われます。
超過勤務手当や賞与、住宅手当、扶養手当、通勤手当等も賃金となり、その0.3%が労働者負担額として雇用保険料として控除されます。(出張旅費や宿泊費などの実費弁償的なものは、含みません。)
基本給だけでなく、住宅手当や通勤手当も保険料算定の賃金として扱われるんですね?
そのとおり、転勤や引越しで通勤する定期代が変わると保険料も変わるんだ。
うーん、満額支給されている定期代からも差し引かれるのは、なんか納得できない。
そのかわり、失業した場合に支給される「失業手当」の基本手当日額に、基本給以外の各種手当も参入されるから、一概に払い損とは言えないかな。
雇用保険被保険者とは?加入条件は?
そもそも雇用保険の被保険者になるには、条件があります。次の要件を満たす労働者が加入対象です。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上の者
- 同一の事業主に引き続き雇用される期間が31日以上である者
その他、季節的事業に雇用される者など適用除外があります。
シフト入れすぎると雇用保険料払わないといけないから気をつけないと。
いろはちゃんは、学生だから原則として雇用保険の加入対象者からは外れているよ。
学生の本業は、勉強だからね。
まとめ
雇用保険料は、給与天引きとなっているため、負担している感覚があまりありませんが、突然、会社が倒産してしまった場合に失業手当の給付を受けられる大切な保険です。
雇用保険=失業保険のイメージが先行しがちですが、資格取得などの時に教育訓練給付など失業以外でも給付を受けることができるのは、有名な話ですよね。
これを機会に一度、ご自身の給与明細の支給額に労働者負担部分の保険料率を掛けてみて、雇用保険料が正しく控除されているか確認してみてはいかがでしょうか。
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